『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』がAmazon Prime Videoで配信されてたので、今さらながら観てみました。
率直な感想は
つまんねーなコレ。
こんにちは、おはようございますの鯖です。よろしくお願いします。
この作品観たことある人いっぱいると思いますが、
え、最後どういうこと?
って思った人も多いんじゃないでしょうか。
ということで、今回は本作の結末について、僕なりの解釈や考察を書かせてもらおうかと思います。
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
評価ランク:C
監督 | 武内宣之 |
---|---|
脚本 | 大根仁 |
原作 | 岩井俊二 |
出演者 | 広瀬すず/菅田将暉/宮野真守 |
■雑なキャラ紹介
・なずな
ビッチな母親の再婚に伴い、引っ越しを余儀なくされる。
軽率に童貞に駆け落ちを持ちかけるサラブレッドビッチ。
・典道
天パー童貞。
自分が肝心なときに動けなかったことの腹いせに友達を殴ったり、不思議な球を投げつければタイムリープできると思い込んでる中二病患者。
・祐介
いい声した童貞。
なずなに祭りに誘われるものの、ひよってすっぽかしちゃう真性の童貞。
すぐにウンコをしたがる習性を持つ。
やっぱプロの声優は上手い。
※ここからネタバレを含みます。
アニメ映画『打ち上げ花火~』最後のシーンの解説
本記事は鑑賞済の人用に書いているので、あらすじとか細かいストーリーは省力し、いきなり本題に触れさせていただきます。
■最後に何が起きたのか
ラストちょい手前の海岸のシーンについて。
結論から言うと、これは元の世界線に戻ってきたということで間違いないでしょう。
タイムリープを繰り返し、本来は第三のif世界であるはずのこの世界に来た時には、空に波紋のようなものが広がっていました。
完全に一致。
なずなと典道はジョジョの世界に来てしまったわけですが、べろべろに酔った花火師がif世界線を行き来する球を打ち上げると、しっかり丸の形をした花火が上がるとともに波紋疾走(オーバードライブ)も無効化されていきます。
ガラスが割れるように様々なifの世界線、可能性のあった世界の破片がそれぞれの登場人物の前に降り注ぐも、しっかりと掴むことができたのはなずなと典道が結ばれる世界の断片だけ。
つまり、この世界線こそが真実の世界、元の世界であることが分かります。
厳密に言うと、「典道がなずなに告白を決意=なずなと典道が結ばれることが確定」したことにより、第三のif世界から真実の世界へと変化したと言った方が正しいかもしれない。
次に会えるの、どんな世界かな?
楽しみだね
と言い残し、浜辺へ戻っていくなずな(パンダで代用)。
これは元の世界に戻ったことにより、なずなもif世界から本来あるべきところ(本来のなずながいる場所)へ戻っていくという描写と考えられます。
というのも、この並行世界を行き来していたのはもちろん典道だけでなので、本来の世界に戻ったことにより、この第三のif世界のなずなとはお別れというワケ。
そう考えるとちょっと悲しくもある。
水中で長らくぷかぷかしてられたり異様に深かったり、なんなら会話できていることが不自然極まりないので、元の世界に戻りつつはあるものの、完全に元に戻ったというよりはその過程、恐らく世界線の狭間にでも身を置いている状態なのかもしれないですね。
そこまでちゃんとした設定とかなくて、ただ映像美を見せつけたかっただけかもしれない。
■結末のシーンの意味
夏休み明けに先生が出席を取っていると、典道の名前が呼ばれても返事がないってシーンですね。
これは典道が時空の狭間に置き去りにされて消滅したわけじゃなく、前述した海岸のシーンでなずなへ告白する決心がついた典道が、本来の世界線でもなずなに告白しに行ったということでしょう。
つまり、ハッピーエンド。
本当に駆け落ちしたというよりかは、学校をさぼって引っ越し先のなずなの元へ向かったって考えた方が自然かな。
物語は夏休みの登校日について描いているので、登校日終了後に引っ越し先を訪ねたにしても新学期には間に合うんじゃね?って疑問は残る。
ちなみに原作にはこのシーンはないらしいです。
アニメ映画『打ち上げ花火~』考察と評価
■なずなビッチすぎ問題
「ホイホイ好きな相手を変えるクソビッチが!」ってなずなを嫌いになった人も多いかと思いますが、実はそうでもない。
勝った方を祭りに誘おうと思ったんや。
お前が勝つと思ってたのに何負けとんねん。
的なこと言ってたのはビッチ特有のリップサービスではなく、本心であるということが以下のことから分かるのでちょっと見て。
・1回目の水泳勝負(祐介の勝利)
これが1回目の水泳勝負後に、祐介を誘っているときのなずなの顔。
祭りに誘う理由を聞かれても何の恥ずかし気もなく表情も変えず、「好きだからよ」とはっきり伝えちゃう。
このシーンを最初に観た人は明らかに全然好きじゃない言い方に違和感を覚えるか、「頭のおかしい女だ!」「もしくはぽか波タイプだ!」となったことでしょう。
要するにこのセリフは全然本心ではない。
直前に勝負に勝った相手を誘おうと思いついたから誘ってみただけ。
・2回目の水泳勝負(典道の勝利)
わかりやすい。
なんか気持ちキラキラエフェクトも多めな気がする。
祭りに誘う理由を聞かれてもはぐらかすあたり、本気感マシマシ。
なずなのことを恋愛脳クソビッチって思った人も、この比較を見てもらえたら好きな相手がコロコロ変わったわけではないってことが分かってもらえると思います。
祭りに誘う相手をコロコロ変えること自体は事実で、そんな女絶対に嫌だけどな。
■タイムリープについての考察
典道はタイムリープを繰り返した末に、「なずなの気持ちを祐介から自分に向けさせた」わけではなく、「なずなへの気持ちをしっかりと認識し、告白する決意ができた」だけ。
何ならタイムリープによりなずなと結ばれる運命を掴み取ったかも不鮮明で、そもそもそうなること自体が運命だったからこそ、「2人が結ばれることが確定⇒元の世界へ戻った」と考えた方が辻褄が合う。
突如何の説明もなしに登場する『if球』ですが、「こんな球は存在しない、もちろんタイムリープも実はしていない」というのが僕の解釈。
つまり、本作は典道というわんぱく坊主童貞が告白を決意するに至るまでの恋心の過程をSFチックに描いたのでは?と思っています。
ちなみに本作には1995年製作の実写版がありますが、その作品はタイムリープものでもないし後半の展開とかも全然異なるようなので、製作陣側の意図も結構変わってそうな気がする。
■『君の名は。』との比較について
ここまで書いてきたことからも分かるように、『君の名は。』と比較すること自体がぶっちゃけお門違いで、
『君の名は。』の方が面白いからこの作品は駄作
って評価の仕方はちょっと違うかなと。
ただ、駄作ってのには賛成。
■評価まとめ
やりたいこととかは概ね理解できたつもりですが、アニメ化するにあたって視覚描写などに頼り過ぎた感は否めないところ。
物語の大半がなずなと典道を中心に描かれているのに、肝心のこの2人に全く魅力を感じることもなければ、共感することもできませんでした。
これは恋愛作品にとっては致命的。
この「キャラの魅力うっすい」問題と「最後わけワカメ」問題が、僕含め世間の低評価に繋がってしまったんじゃないかな。
かゆい
うま
■VOD/動画配信サービス
「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」が配信中のサービスはこちら(2020年5月現在)
※配信有無の詳細は各サービスをご確認ください。