おみくじの「待ち人」って項目あるじゃないですか。
僕の印象ではこの「待ち人」、
『行けたら行くわ。』
ってニュアンスが書いてあることが多いイメージなんですよね。『確実に来ないヤツじゃん』ってヤツ。
こんにちは、おはようございますの鯖です。
この「待ち人」ですが、必ずしも人だけではなくて、人生の転機となるような「人」や「出来事」ってことらしいですね。
この記事を書くにあたって興味本位で「待ち人」の運勢結果について調べていたら、どうやら中にはこういうパターンもあるらしいです。
『必ずやって来る。時には大勢でやって来る』
大勢でやって来る…!
というわけで、もう結構前ですが観てきました「来る」。
来る
監督:中島哲也 脚本:中島哲也/岩井秀人 出演:岡田准一/黒木華/小松菜奈 松たか子/妻夫木聡
映画ランク:A
作品のジャンルはだいたいこんな感じ。
・アクション ★☆☆☆☆
・ドラマチック ★★★☆☆
・コメディ ★☆☆☆☆
・ホラー ★★☆☆☆
・グロテスク ★★☆☆☆
・ミステリー ★★★☆☆
普段邦画を映画館に観に行くことはあまりないのですが、
めっちゃかっこいいバンド「DOPEDOWN」のフロントマン、吾龍さんに誘われて観てきました。
■ざっくりあらすじ
この作品、大雑把に言うと3パートに分けられています。
・序盤部分
妻にも娘にも恵まれ、何もかも上手くいっているように見える妻夫木くんを中心に展開。
そんな幸せな家庭に突如、怪奇現象が襲い掛かる。
・中盤部分
妻夫木くんは友人の伝手を借りて、やさぐれ記者(岡田くん)から紹介してもらった霊能力を持つキャバ嬢(小松さん)のもとを訪れる。
そしてなんやかんやして判明したのは、妻夫木ファミリーを襲っていたのは、なんと予想をはるかに超えためっちゃ危険なモノだった。
・終盤部分
実はアッー!ゴニョゴニョしてアッー!!
ってな感じ。
■感想
あくまで物語を進めていくのは適度にちょこちょこお邪魔しに来るナニカなんですが、 その怪奇現象を通して浮き彫りになる人間関係やトラウマがめっちゃボリューミー。
ジャンルは一応ホラーになるとは思うんですが、見どころはどちらかというとそのヒューマンドラマ性だと思います。
こういう映画は個人的に大好きだし、一映画として期待以上に楽しめました。
※ここからネタバレを含みます
原作は未読なんですが、この不明瞭な「来る」存在、いわゆる「ぼぎわん」は作者の澤村さんオリジナルの妖怪だそうですね。
ざっくり言ってしまうと心に「闇」であったり「悪」を抱えているものをターゲットに襲い掛かる一方、寂しい思いをしている子供と同調するといったような、一種の優しさみたいなものを感じさせます。
後半部分では霊能力者たちが怪獣映画さながら集結して「ぼぎわん」を迎え撃つシーンもあり、作品の流れ的には終始「ぼぎわん」は恐るべき敵で、倒される対象ではあるんですけど、
『そもそも人間の悪しき心が原因で「ぼぎわん」が生まれてしまったのではないか?』
『古代では本来悪しきものを罰する側の存在だったのではないか?』
などの印象を受けました。
岡田くんや小松さんも「ぼぎわん」との対峙を経て、一歩前に進めてるあたりも踏まえ、すごく考察し甲斐のある作品だと思います。
■良かった点
・キャスト陣の演技力が高い
まず男性陣。
妻夫木くん、岡田くんは本当にどの作品でも安定している。
特に妻夫木くんの小憎らしい笑顔ね!
「殿、利息でござる!」で見せたあの優しい笑顔と同じ顔のはずなのに、めっちゃイラつく。
あーこういうタイプの人間、めっちゃ嫌いだわ~
って序盤から僕と同じ感想を抱きそうな人はご安心を。
見るも無残な最期を迎えることになり、スッキリさせてくれるゾ!
そして女性陣。
小松さんと黒木さんもすごくよかった。
小松さん出演作品は何本か観てきたのですが、正直可もなく不可もなくってイメージだったんですよね(すみません)。
ただ、本作では真琴の精神面の魅力を十二分に表現。
こういうストレートな役をもっと見てみたいと思いました。
そして言わずもがな柴田理恵さん。
ヤバイ。破壊力パない。
・明瞭なストーリー展開
前述した3パートとは別に、視点という意味でも3パートに分かれている点が、これまた特徴的かつ視聴者に親切。
妻夫木くん⇒黒木さん⇒岡田くん
と視点を変えていき、その流れで見えてくる人間関係や過去のトラウマを軸に、極々自然に謎解きを進めていく展開が素晴らしい。
■残念だった点
・途中、間延びしてしまっていた点
中盤で少し間延びしてしまったところが、個人的に残念でした。
怪獣映画ばりの高揚感煽るシーンなどとは裏腹に、テンポが悪くなる描写がちらほら。
じいちゃんばあちゃん霊能力者が集結したり、女子高生霊能力者たちが緊張感なく準備するシーンとかはすごくよかったんだけどね。
・日本最強の霊媒師、「比嘉琴子」の立ち位置
琴子(松さん)の存在がこの作品の世界観から浮いてしまっていて、初登場シーンや除霊シーンでそこまでの緊張感がぐずぐずになっちゃっていたんですよね。
キャラメイクや演出の問題かな…といった印象。
『来る』の評価まとめ
誘われてなかったら映画館に観に行ってなかっただろうし、吾龍さんには本当に感謝!
いやー持つべきものはホラー仲間ですね。
ここで吾龍さんが所属するバンド「DOPEDOWN」のMVを。
※「おはようございます」から梛さんと僕もゲスト参加させていただきました。
かゆい
うま