観るだけで女性に優しくなれる!「大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]」レビュー【ネタバレあり】

映画
(C) 2012男女逆転『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』製作委員会
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犬。


犬好きなんですよね犬。


猫も好きだけど、どっちかっていうと犬。

猫アレルギーだし。


もし今の文明が崩壊して、例えばゾンビパンデミックみたいな状態になったとして。


知らない人間か知らない犬、どっちを仲間にする?


って聞かれたら、迷わず犬を選びます。


こんばんは、おはようございますの鯖です。よろしくお願いします。


生類憐れみの令」ってあるじゃない?


犬はじめ、動物・嬰児・傷病人を大事にしようねって諸法令ですね。

世間的にはこの施策を代表として、悪法を布きまくったとして評価の低い綱吉くんですが、今回紹介するのはその綱吉くんについての映画。


大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇](2012年)

映画ランク:A


予告編はこちら

映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』予告編
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』予告編
シネマトゥデイ

監督:金子文紀
脚本:神山由美子
原作:よしながふみ『大奥』
製作:磯山晶/荒木美也子
出演:堺雅人/菅野美穂/尾野真千子

ジャンルはだいたいこんな感じ。

アクション  ☆☆☆☆☆
ドラマチック ★★★★★
コメディ   ☆☆☆☆☆
ホラー    ☆☆☆☆☆
グロテスク  ☆☆☆☆☆
ミステリー  ☆☆☆☆☆
犬      ★☆☆☆☆

■作品概要

よしながふみさんによる歴史改変SF漫画「大奥」の実写映像化シリーズの第3作。


男性のみがかかってしまう謎の疫病により男子の人口が急速に減少してしまっており、それに伴い、統治を含めた権力を女性が掌握しているという、独自の設定が取り入れられています。


僕は原作やドラマ含め「大奥」作品に触れるのが初めてであったため、しばらく『アレ?どの人が綱吉?って設定に混乱しながら観ること数十分。


うっわ…やっぱ女のことなんて信用したら負けだわ…もう誰も信じないわ…


って思いながら鑑賞してたんですね。

しかしラストシーンを迎える頃には


うんうん、やっぱり女性って大変だよね…


生まれてきてくれてありがとう…!


ってくらい心境が変化するくらい、全力で楽しめました。

なんでそんなきもちわりーくらいに心境変わったかってことも含め、本作のレビューをさせていただきます。


■あらすじ

時代は綱吉くんもとい綱吉ちゃん(菅野美穂)五代将軍となった頃。


非常にやり手でその手腕を発揮する一方、妖艶な容姿や振る舞いを武器に、毎晩床を共にするイケメンを選び放題という奔放な性生活を送る綱吉。


権力争いが渦巻く中、正室:信平は京から側室候補である右衛門佐(堺雅人)を呼び寄せる。

(ちなみに「右衛門佐」は「えもんのすけ」って読むよ。)


綱吉は他の側室候補とは一線を画す異彩を放つ右衛門佐を側室にしようとするが、右衛門佐は辞退し、代わりに大奥総取締の地位に就く。


その矢先、綱吉唯一の世継ぎである松姫の急死により、次にもうけた世継ぎこそが綱吉の後を継ぐ者という状況に。

綱吉の寵愛を巡る権力争いが激化する中、それぞれの胸に秘めた思いが交錯する。


ちなみに犬はそんなに出てこない。


※ここからネタバレを含みます。


■「生類憐れみの令」の立ち位置

この「生類憐れみの令」を上手く取り入れてきたなぁ…みたいな。


綱吉のパパ、桂昌院(西田敏行)がですね、


なぜ世継ぎができんのじゃぁああ!


と偉い坊さん的なサムワンに相談するんですね、確か。


なぜ世継ぎが死んでもうたんじゃあああ!


だったかもしんない。まぁそこは置いといて。


その偉い坊さん的な人が

なんか動物の命粗末にしたことない?そのせいじゃね?

みたいなアドバイスをくれるんすよ。


それを真に受けた綱吉パパは「生類憐れみの令」の発令を綱吉に進言してしまいます。

この偉い坊さんアドバイスによって「生類憐れみの令」が発令されたって説は最近否定されガチらしいんですけど、本作とはすごく設定がマッチしていて採用したのは良策だな、と。


そして毎晩毎晩床の相手イケメンを選ぶ綱吉ですが、細いヤツばっかじゃなくてもっと遺伝子強そうなヤツ連れてこいや!その中にこの「生類憐れみの令」のせいで恋人を見殺しにされた男が忍び込むというシーンがあります。

この男は報復のため、自分を磨き、見事綱吉への接近を成功させたワケですが、この刺客を撃退する一幕がこの後迎えるエンディングへの第一歩となっていて、なんともスムーズ。

よしながふみさんアッパレ。


■女体化について

昨今何も珍しくない『もしも○○が女性だったら~』という設定。

数多のそういった作品の中、名作と評価される作品には必ずその設定を活かした独特の描写が含まれてますよね。


本作もまた、ただ女性にして萌えキャラにしようぜ!とか主人公と恋愛させちゃおうぜ!みたいな感じではなく、性別を変えたことによる「心境」「人間模様」「政治的影響」の変化を非常に上手く描いている、名作と呼んでも過言ではない作品であると感じました。


・世継ぎを残すという点

極論かつ下世話な話、男性将軍だったら側室を抱えれば抱えるほど、世継ぎを残せる可能性が倍々なワケですよね。

同時期に何人も妊娠できちゃうわけですし。


ただ、これが本作のような女性将軍となった場合、双子でもない限り一度に妊娠できるのは1人。

無事に妊娠・出産を迎えたとしても次の世継ぎをもうけるには1年近くの時間がかかりますし、健康面の心配もありますよね。


こういったことから綱吉に降り掛かるプレッシャーがもうハンパない。


権力に目が眩んだ周りの人物達からのプレッシャーは、もう観てるこっちが潰されそうになるくらいの重圧。

そして設定的には恐らく50代に差し掛かっているであろう、綱吉役の菅野美穂さんを観て思うわけです。


(メイク的に)あんま老けねぇな。


事務所からNG出たのかな。


■綱吉の苦悩

綱吉ちゃん自暴自棄になっちゃってない?


つか性欲と承認欲求強すぎじゃない?


って観てて辛くなるような描写が多くてですね。

お年を召してからは尚更、若い男を貪る痛々しいシーンが続きます。


しかし、それは綱吉の真意ではなく、全ては前述した周りのプレッシャーによるものだということが物語の終盤で判明。

自身の権力保持のため盲目となってしまった綱吉パパは、とっくに閉経を迎えてしまった綱吉に子作りを強要。

父への恩を無下にできない綱吉もまた、無駄だとは知りつつ見知らぬ若い男と床を共にするという…


世もうまく治められず、愛もなく世継ぎも授かることもない形だけの行為を毎晩繰り返すだけの自分の存在を自嘲し、今までのその無駄な行為を続けるためにどれだけのことをしてきたか、その苦悩をついに吐露する綱吉。

男だから想像しかできないけど、めっちゃ辛い。


■右衛門佐の秘めた思い

なんかいろいろ省いてサッとネタバレしちゃうと

綱吉ちゃんのことずっと好きだった

と。


女と男の関係は子をなすだけではない

と。


そして二人は何年もの時を経て結ばれるわけですが、そのときの会話がめっちゃいいんですよね。


もうね、すんごいいいの。


オカマ口調になっちゃうくらいよかったわよ。


この作品通じて堺雅人さんと菅野美穂さん結婚したっぽくてですね。


本気じゃん!


みたいな。


そりゃあんないい演技にもなるわ…


ちなみに堺雅人さんもそんなオッサンオッサンしたメイクではない。若い。

片方だけ老けたらおかしいからね、しょうがないね。


■所感

前半は権力巡るガチガチの政治映画。


後半から怒涛の恋愛映画へと変貌を遂げる本作。


どっちの側面から観てもめっちゃよかった!


しかし、なぜかいまいちな評価をしている人が多くて。

中には、女優を脱がせてもっとエロくしろ!みたいな意見もあり。


そこ?


ラストシーンだけはネタバレを控えようと思いますが、真実の愛を見つけて、父からの呪縛からも解き放たれた綱吉の最後の表情。

綱吉の心境を見事に表現しきった菅野美穂さんの演技は、言葉にできないくらい素晴らしかったです。


映画好きの女性には特に本作を観てもらいたい。

女心なんて何もわからない、鯖おじさんの感想はそんな感じ。


I care not for a man’s religion whose dogs and cats are not the better for it.

 ―by エイブラハム・リンカーン

かゆい
うま

■VOD/動画配信サービス

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