ゼロカロリー食品を摂っていると、より甘いものが欲しくなるから結果的に太る!
みたいな謎理論、一時期流行りましたよね。
もし未だにこの謎理論ふっかけてくる人が現れたとしたら、
いや、もし本当に甘いもの欲しくなったとしても、我慢できないのはお前のせいじゃん。
って論破しましょう。
『人工甘味料が人体に及ぼす影響が心配だから』
『ゼロより、普通のコーラの方が味が好き』
って理由で人工甘味料を否定するのはすごくわかるんですけどね。
『ゼロカロリー食品を食べていると余計に太る』っていうのは全く根拠のない理論なので信用しないでくださいね。
伊達ちゃんの「カロリーゼロ理論」と同レベル。
その詳細については以下の記事で書いてあるので、興味ある人はぜひ。
どうも、おはようございますの鯖です。よろしくお願いします。
えら~い人たちが一生懸命遥か昔の文献とかを研究していく過程では、どうしても解釈の違いであったり、研究が進むにつれ、後々誤読であったことが判明したりっていうことも少なくありません。
今回はそれを踏まえ、図らずもゼロから最も有名な悪魔にまで成り上がった「ルシファー」について書いていきます。
「今さら聞けないルシファー誕生秘話」
■ルシファーの誕生
ルシフェル、ルキフェル、ルチフェルなどの別読みがあり、意味的には「明けの明星」「光をもたらす者」を指します。
悪魔にしてはなんか陽キャなイメージ。
現代では、日本においてもゲームやら漫画やらで引っ張りだこの「ルシファー」のイメージは
- 悪魔と言えば、ルシファーさん!
- 実際、サタンの正体ってルシファーさんなんでしょ!?
- 神に喧嘩売るとかさすがルシファー!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!
みたいな感じ。
そんな「ルシファー」さん、実は聖書正典に登場するのはたったの1シーンです。
ああ、お前は天から落ちた、明けの明星、曙の子よ。お前は地に投げ落とされた、もろもろの国を倒したものよ。かつて、お前は心に思った。『わたしは天に上り、王座を神の星よりも高く据え、神々の集う北の果ての山に座し、雲の頂きに登って、いと高き者のようになろう』と、しかし、お前は陰府に落とされた。墓穴の底に。
出典:「イザヤ書」14章12節~15節
ここが「ルシファー」の唯一の見せ場。しかも本人のセリフなし。
ここに出てくる「明けの明星、曙の子」が、ラテン語訳される際に「ルシファー」という単語に訳された形ですね。
この「イザヤ書」からするに、「どうやら他者を圧倒するほどの力を持った特別な存在が、自身が神以上の存在であると神を越えようとした結果、天から堕とされてしまったヨウダナー」ってことがわかりますよね。
この数節を人々が以下のように解釈したのは自然な流れでしょう。
『特別な天使が神に反逆し、天から堕とされてしまった』
これが「明けの明星、曙の子」=「ルシファー」=「堕天使」論がバズったきっかけ。
そしてそして「ルカによる福音書」ではこんな一節があります。
わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見た
出典:「ルカによる福音書」10章18節
これ言ってるのはイエス兄さんですね。
このイエス兄さんの言葉と、「イザヤ書」の14章12節における「明けの明星、曙の子」の墜落が同じ事柄を表していると結び付けられ、『ルシファー=サタン』だと明言されることとなりました。
ちなみに初めてこの説をゴリ押しプレゼンしたのは、2世紀前半の教父「オリゲネス」さんとのこと。
これでめでたしめでたし、やっぱり「ルシファー」は「サタン」だったんだね。っつー簡単な話ではない。
そうだったら、前に書いた『サタンとは何ぞや?』みたいな話にはなっていないのです。
■聞きたいか、ルシファーの武勇伝
前述した「イザヤ書」14章12節における「明けの明星、曙の子」、これ実はバビロニア王「ネブカドネザル2世」かアッシリア王「サルゴン2世」を示した暗喩だったということが判明。
じゃあルシファーが悪魔の名前だなんて完全にガセネタじゃね?
って論じた人ももちろんいたようですが、そんな少数派のモブ発言なんてお構いなし。
聖書や黙示文書、はたまた「アウグスティヌス」をはじめとした歴代の教父たちの考察の結果、完全に「ルシファー」=「サタン」説を含むルシファー伝説が確固たるものとなってしまいました。
今日においてもキリスト教会の見解では「ルシファー」=「サタン」であるとされていて、「ルシファー」の背景は以下のような感じじゃね?ってことになりました。
- 本来は6枚の翼を持つ、最も美しい天使
- 天使時代の位は最高位である熾天使(セラフィム)
- 自身が最高の存在であると謀反(神に命に背いた説もあり)
- 傲慢の罪で天界から追放された
これが構築されたルシファーさんの武勇伝。
こんな感じで「ルシファー」は「サタン」と肩を並べるほどのビッグネームへと成り上がったワケです。
「影響力のある人の発言は絶大な効力を持つ」ってことがわかるいい例。
「ルシファー」に関しては誰も悪気があって考察を進めたり、提言したわけではないでしょうが、意図して虚言を弄するパターンもありますからね、ソースは大事。
余談ですが、「七つの大罪」のように「ルシファー」と「サタン」を別物とする説もありますが、その場合は「ルシファー」の方が位が上で、「魔王」扱いです。
こうなっている理由は、
「サタン」が上になっちゃうと、「ルシファー」=「天使の最高位」っていう伝説が瓦解してしまう
からです。
■まとめ
ということで、「ルシファー」の誕生や、彼(?)が「サタン」と同一視されるまでに昇格した過程を書いてみました。
ちなみに僕が一番好きなのは、映画「コンスタンティン」で「ピーター・ストーメア」が演じた「ルシファー」です。
かゆい
うま